教員が休職中に転職を考えてもいい?確認すべきことと、無理なく進める考え方

教員として休職している間に、「このまま復職していいのだろうか」「転職したほうがいいのではないか」と考えることはあるでしょう。休職期間に今後のキャリアを考えること自体は、決しておかしなことではありません。ただし、休職中だからといって、すぐに転職活動を始めて結論を出す必要はありません。

この記事では、休職中に転職を考えるときに確認しておきたいことと、無理のない考え方を整理します。

目次

結論:休職中は休養が最優先、転職は焦らなくていい

まず大切なのは、休職の目的に応じて休養や必要な対応を優先することです。特に心身の負担から休職している場合は、「休んでいる間に転職先を決めなければ」と焦る必要はありません。今の仕事から距離を置くことで、少しずつ、これからの働き方を考えられるようになることもあります。

一方で、「復職以外の選択肢も考えてみたい」と思うこともあるでしょう。その場合も、すぐに応募する、すぐに退職を決める、無理に復職を決める、といった形で結論を急がず、まずは情報を集めて自分の希望や条件を整理していく方法があります。休職中の自分を責めるのではなく、これからどう働きたいのかを少しずつ考えていくことが大切です。休職の制度や手続きについては教員の休職手続き完全ガイドも参考にしてください。

休職中に転職活動をしてよいかは「確認」が必要

「教員は休職中に転職活動をしてもいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ここは一律に「していい」「してはいけない」と判断せず、自分のケースについて確認することが重要です。休職の種類、所属する自治体・学校の規程、雇用形態、利用している制度などによって、確認すべき事項が変わる可能性があります。

まず所属先の規程や担当窓口を確認する

公立学校の教員であれば自治体の条例・規則などが、私立学校であれば学校法人の就業規則や休職に関する規程が関係します。転職活動を始める前に、次のような点を所属先の担当部署に確認しておくと安心です。

  • 休職中に転職活動を行うことについて、規程上の問題がないか
  • 休職の理由や種類との関係で、注意点がないか
  • 申告や手続きが必要か
  • 復職・退職に関してどのような手続きが必要か

「たぶん大丈夫だろう」と自己判断せず、確認することが大切です。

傷病手当金などの制度を利用している場合

休職中に給付や手当などの制度を利用している場合は、転職活動や退職、就労との関係についても確認が必要です。制度によって条件や扱いが異なるため、一般化はできません。所属先だけでなく、加入している健康保険の窓口などにも確認しましょう。

主治医や専門機関の意見も大切にする

転職活動は、求人情報の比較、応募書類の作成、面接、企業とのやり取りなど、さまざまな作業を伴います。現在の状況でどこまで活動することが適切かについては、必要に応じて主治医や専門機関に相談してください。「休職中だから転職活動をしてはいけない」と決めつけるのではなく、制度面と自分の状態の両方を確認することがポイントです。

休職中の過ごし方の考え方

休職期間を「何か成果を出す期間」にする必要はありません。特に休養が必要な状況であれば、まずは休むことを優先しましょう。

「何もしない時間」も必要な時間

仕事をしているときは、授業、学級経営、部活動、校務、保護者対応など、やることが次々に出てきます。そこから離れると「自分は何もしていない」と感じることがありますが、仕事中心だった生活から距離を置き、自分の時間を取り戻すこと自体に意味があります。「資格を取らなければ」「転職先を探さなければ」と考えすぎなくても大丈夫です。

「教員を続けるか」もすぐに決めなくていい

休職すると、「復職するか、辞めるか」の結論を早く出さなければならないように感じることがあります。しかし、「今は教員に戻ることを考える余裕がない」という状態と「教員を辞めたい」という結論は、必ずしも同じではありません。反対に、時間を置いたことで「もう一度教員として働いてみたい」と感じることもあるでしょう。最初から答えを決めず、「今どう感じているのか」を整理するところから始めても構いません。

少し余裕が出てきたら書き出してみたい問い

  • 教員の仕事の中で、好きだったことは何か
  • 反対に、負担に感じていたことは何か
  • どんな働き方なら続けやすそうか
  • 学校という環境から離れたいのか、教育そのものから離れたいのか
  • 復職するとしたら、何が不安か
  • 転職するとしたら、何を変えたいか

「続けるか辞めるか」だけでなく、何を残したいのか、何を変えたいのかまで分解すると、選択肢が見えやすくなります。

体調に余裕が出てからできる小さな一歩

休養を優先したうえで、「少し将来について考えてみようかな」と思えるようになったら、いきなり転職活動を始めなくても構いません。

まずは情報収集から

応募する必要はありません。教員経験を活かせそうな仕事には、教育関連企業、営業、研修、人材など、さまざまな選択肢があります。求人を眺めるだけでも、「こんな仕事があるんだ」「この経験は意外と使えるかもしれない」といった発見があります。ただし、見ていて不安が強くなるようなら、無理に続ける必要はありません。

自分の経験を言葉にしてみる

生徒や保護者とのコミュニケーション、授業や行事の企画運営、学年や学校内での調整、課題を見つけて改善した経験など、日々の仕事を分解すると多くの経験があります。これらがそのまま評価されるとは限りませんが、「教員だった」という肩書きだけでなく、何をしてきたのかを具体的に振り返ってみることが大切です。

キャリア相談を使ってみる

一人で考えていると、「続けるか、辞めるか」の二択になりやすいものです。キャリア相談は、転職先を決めるためだけのものではなく、「何に悩んでいるのか」「本当は何を変えたいのか」を整理する場としても使えます。

先生キャリアコーチでは、コーチングやメンタリング、元教員との面談などを通じて、選択肢を考えるサポートをしています。仕事を「調べる」だけでなく、実際に触れて考える「体験して選ぶ」という考え方も大切にしています。

復職・転職・退職を比べるときの視点

休職中に考えたい選択肢は、「復職」か「転職」だけではありません。大きく分けると、復職する、転職する、退職してから次を考える、の3つがあります。

復職する

「今の学校に戻れるか」だけでなく、「戻ったあと、どのような働き方をしたいか」を考えてみましょう。以前と同じ働き方に戻ることへの不安があるなら、復職後にどのような環境や業務が望ましいかを整理しておくことも一つです。手続きなどは所属先に確認してください。

転職する

「教員以外なら何でもいい」ではなく、「今の仕事の何を変えたいのか」から考えると選びやすくなります。働く時間、組織文化、教育以外の経験、教員経験の活かし方など、転職したい理由を具体化してみましょう。

退職してから考える

復職も転職活動も難しいと感じる場合、退職を検討することもあるでしょう。ただし、退職すると雇用関係や利用できる制度などが変わる可能性があります。勢いで決めず、退職後の生活や手続き、利用できる制度を事前に確認しておくことが大切です。「辞めるかどうか」を決める前に、まず必要な情報を集めるだけでも判断材料は増えます。迷っている方は教員を辞めようか、続けようか迷っているあなたへも参考にしてください。

一人で決めずに相談する

休職中のキャリアについて、一人で結論を出そうとしなくても大丈夫です。制度については所属先や各制度の窓口に、現在の状態については必要に応じて医師や専門機関に、そしてキャリアについて迷っているならキャリアの専門家に、それぞれの領域を相談することが大切です。

休職中は「自分が弱いからこうなった」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、今後の働き方を考えることは後ろ向きなことではなく、休職をきっかけにこれまでの働き方を見直すこともできます。

先生キャリアコーチ代表の森川陸も、中学校教員からスタートアップ、独立というキャリアを経験し、現在はCPCC認定コーチとして教員のキャリア相談に携わっています。ただし、すべての人が教員を辞める必要があるわけではありません。周囲の正解ではなく、自分にとって納得できる選択肢を見つけることが大切です。

よくある質問

Q1. 教員は休職中に転職活動をしてもいいですか?

一律に「いい」「ダメ」とは言い切れません。休職の種類、自治体や学校の規程、雇用形態、利用している制度などによって確認すべき事項が異なるため、まず所属先の担当窓口や関係する制度の窓口に確認してください。

Q2. 休職中の転職活動はどこから始めればいいですか?

転職活動そのものではなく、求人を眺めたり、これまでの経験を整理したりするところからで構いません。体調や状況に余裕が出てきた段階で、少しずつ進めましょう。

Q3. 休職中は何をして過ごせばいいですか?

まずは休養を優先してください。「資格を取らなければ」「転職先を決めなければ」と焦る必要はありません。余裕が出てきたら、好きだったこと、負担だったこと、今後大切にしたいことを少しずつ整理してみるとよいでしょう。

Q4. 復職と転職、どちらを選べばいいかわかりません。

すぐに決めなくても大丈夫です。復職・転職・退職後に考える、という選択肢を並べ、「何を得られるか」「何が不安か」「何を確認する必要があるか」を整理してみましょう。一人で整理するのが難しければ、所属先や専門家に相談する方法もあります。

Q5. 休職中に転職を考えるのは逃げでしょうか?

転職を考えること自体が「逃げ」になるわけではありません。一方で、休職中は休養を優先することも大切です。「辞める」と決める必要も、「絶対に復職する」と決める必要もありません。

休職中に転職を考えている方は、教員が転職して後悔した理由TOP5と後悔しない方法も、判断の材料として参考にしてください。

教員から転職する方法の完全ガイドはこちら→

まとめ

教員が休職中に転職を考えること自体は、特別なことではありません。ただし、最初に大切にしたいのは休養です。そのうえで余裕が出てきたら、今の仕事の何に悩んでいるのか、これからどんな働き方をしたいのか、復職・転職それぞれで何が気になるのかを整理していきましょう。

休職中に転職活動をする場合は、所属先の規程や利用している制度によって確認事項が異なるため、自己判断せず窓口に確認してください。現在の状態について気になることがある場合は、必要に応じて医師や専門機関にも相談しましょう。

「復職するか、転職するか、まだ何も決まっていない」という段階でも構いません。今の状況を整理して、自分のこれからを考えてみたい方は、無料のキャリア相談をご利用ください。

休職の前段階にあたる病気休暇については、こちらの記事で確認できます:教員の病気休暇の取り方

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この記事を書いた人

中学校教員→民間転職→先生キャリアコーチ代表。キャリア支援実績累計200名以上。米国CTI認定プロコーチ資格CPCC®保有。教員免許(中学・高校)。

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